おさけおいしい

飲んだ酒の感想。飲んだら更新、不定期。

おとんのスペシャルお酒入門セット後編

スプラトゥーン2には、サーモンランというモードがある。主人公たちがやる危険なバイトという設定で、迫り来る「シャケ」と呼ばれる敵を倒し、それが落とす貴重な物資を集める……と、だいたいそんな感じだ。
ここで重要なのはふたつ。ひとつめは敵がシャケであること。ステージの名前も「海上集落シャケト場」だの「トキシラズいぶし工房」だの、鮭とばが大好きな自分には思わず反応する名前をしていたりする。
ちなみに、ときしらずというのは日本ではなくロシアの川生まれの、回遊の途中に北海道で獲られる鮭らしい。秋鮭より時期が早いので、時を知らないときしらず。これはお気に入りの鮭とばのパッケージに書いてた。
話が逸れた。
もうひとつ大事なことは、あくまでメインコンテンツではないということだ。スプラトゥーン2においてはサーモンランはサブ的な扱いなのか、更新があまり多くない。
つまり、そんなコンテンツに更新の予告が来たら、とても嬉しい。嬉しいし、お祝いしたくなる。何より、それは鮭とばを食べる口実になる。

鮭とばというのは基本的に高価な食べ物だ。あんまりお小遣いでほいほい買うわけにはいかない。だけど、理由があるなら自分を許せる。
鮭とばはおつまみだ。今までは、酒が飲めなかったので適度な水分補給と共に単体で食べていたが、今は飲める。そして、私の手元には、誕生日にもらった日本酒がまだあるのだ。
これは神が「鮭とばと日本酒で宴をやりなさい」と言っているに違いない。
そしてそれはすぐに、ネッ友との通話と共に実現されることとなった。

そして当日。ここでひとつネックなことは、氷結のグレープフルーツをどうするかだ。
苦いのは嫌いだが、飲まなければ減らない。仕方なく日本酒と両方冷やしておいたし、先に飲むことにした。
味は、やはり苦い。グレープフルーツを信じてはいけない。いや最初から信じていなかったけど。ただまあ、ジュースなので生のグレープフルーツが食べられなくても飲みきることはできそうだ。
そして正確にはジュースではなくチューハイなので、酔う。ひと缶でもそこそこハイテンションになっていた。父と外食に行ったときはもっと大人しかったはずなのだが、自宅で、信頼しているネッ友の前ではリミッターが外れたのかもしれない。

ひと缶を空にして、続きが飲みたい。飲むための通話なのにひと缶で終わりはつまらない。鮭とばと日本酒が今日のテーマなのにここで終わったら私は負けだ。
父にLINEをする。「続けて飲んでも大丈夫かね?」
返答はこうだ。「世間ではそれをチャンポンと言って、あまり良いとは謂われてない」「化学的根拠はないのだが、種類の違う酒を飲むのは悪酔いする、と」
そうなのか? やめろと言われても飲むつもりではあったが、そう言われるとどことなく心配になってくる。
文章は続いた。「そんな事無いと思うけどねー」「たぶん、チャンポンとか言うケースは単純に飲み過ぎじゃね?って話」
なるほど。いろんな種類の酒を飲むことで、自分の飲んだアルコール量を把握できなくなるのかもしれない。
じゃあ続行で、と思いきや、最後の一文には「でもな、氷結一缶でとれほど酔うのか?日本酒コップ一杯でどれほど酔うのか?解らなくなるのは勿体無いかもしれない。なんて思った」とあった。
確かにこれは父の用意した酒入門セットであり、ひとつひとつを、味も酔い方もきっちり確認して行ったほうがよかったかもしれない。でもどうしても同じ日本酒ひと缶での酔い方を知りたいなら、自腹でまた買えばいいのだ。私は飲む。

開け方は少し難しかった。昔「ウォーターサーバーの水をまるで酒のように美味しそうに飲むから」という理由で、ワンカップというあだ名をつけられたほろ苦い過去を思い出しながら、口をつける。コップから直接飲めるからカップ酒。便利だ。
ワンカップ大吟醸。しゃぶしゃぶ屋の日本酒に比べたら少しグレードが高いらしい。米を削り、真ん中に近いところを使うと澄んだ味になるというのは聞いたことがあったが、正直よくわからない。
ただ、言われているより甘くないとわかっていたせいで、心構えは変わっていた。
日本酒がごはんで鮭とばはおかず。だいたいそんな感覚で飲むと、けっこうおいしい……ような。間違っているかもしれない。テーブルにあるのは液体の形をしたごはんとしょっぱい魚の干物だけなので、水もときどききちんと飲む。

鮭と酒の宴は無事に成功した。
日本酒は二度飲んで、どちらとも私の望む「甘い」酒ではなかったけれど、結論としてはおいしかった。もしかしたら、鮭とばがおいしかっただけで思い出が作られているかもしれないが。
また気が向いたら飲もう。